Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
私たちは、『彼』やアニキや
”Chea-Ruu”に出会った事で
『見たことのない空』を
少しだけ、覗いた事がある
… それはすごく、キラキラしてて
まぶしくて、かっこよくて…
憧れの世界 そのものだった
だけど
それと同じくらい
大変なこと、たくさんあって ―――
でも、それでもうちらは
『そこに行きたい!』って
そう思ったんだ…
「よ〜し!
じゃあ、何の曲やる?!」
「はいは〜いっ
私〜『夢の翼』希望〜!」
「出た!ユリの定番!」
「テーブルどかしちゃお!」
「うん!」
テーブルどかして
部屋の、真ん中を空ける
キーボードは床の上
クッションに座ったり
ソファーに腰掛け ギターを抱えたり
私もケースのポケットから
チューニングマシンを出して
皆の準備が終わると
シノが正座で、スティックを鳴らした