Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
「僕、古いタイプの人間なんで
若いんだから勢いで行けよ〜!
テクニックとか教則本なんか
なんぼのもんじゃ〜!タイプなんですが
昨今は、そう言ってもいられないので
…君は手が小さいし
握力もそんなにない
の割りには
上手い事フレットをチェンジしたり
自分の欠点を補った弾き方をしている
ズルかもしれないけど
長い事、実地にやってる人間だけが
見つけられる弾き方ね
これは教室では
絶対に弾けるまでやらされる部分だし
出来なかったは次へは進めない
だから、辞めてしまう」
「―――…」
「これは女の子バンド
全般に言える事なんだけど
だから、迫力が無いって言われる
でもしょーがないんだな、これは
で、何が売りって
繊細さとか、かわいらしさとか
色々あるんだけど
そして次!ヴォーカルさん!
音程しっかりしてますね
とても上手だし、貴重だと思います!」
「あ…ありがとうございます!!」
「で、もしかしたら
アイドルを目指してましたか?」