Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
「… Octoberは解るよ!
あそこは歴長いし、俺らより上手い!
でも!あの女達が合格で
なんで客とか一番呼んでる
俺らのバンドが却下なんだよ!」
「――― 落ち着けよ、林田」
「落ち着いてられっかよ!
お前リーダーだろ?!何とか言えよ!」
「別に 店長が言ってんだし」
「…な!!」
「でも、理由聞かせて貰えませんかね
俺も若干、納得は行かないんで」
椅子の、ギシッてなる音
「――― 君らは
お客さん、多いでしょう」
「はい、一番多かったですね」
「うちのキャパは、三百
頑張って五百かな
今日も本来なら、6時半開けの所を
一時間早く開場した」
「あいつら騒ぐし
それはすまないと思ってます」
「君らはもう
色んな場所でも紹介されてるし
今後どんどんお客さんは増えるだろう
うちじゃなくても、もっと広い所で演れる
お客さんの安全の為にも
そのほうがいい」
その時、何かを蹴ったみたいな
すごい音がして…
私は慌てて、その場から離れた