Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
三段飛びして、階段を降りる
スペースから出た武藤の車には
もうエンジンがかかってた
「ユカ〜!行くよ〜!」
「――― あれ?
ユカ、ペン返して来なかったの?」
「え…あ
ひ…人、いて」
「あ、そうなんだ
じゃあ、次に返せばいいよぉ」
「う…ん」
まだ、心臓ドクドクしてる…
「あ、お疲れ様でした〜!!」
ガラガラって音と
急に、横を向いたマキちゃん
私もビクッとして振り向いた
そこにいたのは、Octoberの人たち
「――― あの」
「は、はい!!」
ちょっと裏返った、マキちゃんの返事
「差し入れで…
ケーキもらったんですけど
俺ら、全員食えないんで 良ければ」
「えっ!!
ありがとうございます!!」
Octoberの人達は、ケーキの箱だけ渡して
自分たちの車の中に入った
「――― なんだ。いい人だぁ!」
「うん!すっごいいい人〜!」
「うんうん!!」
「…怖いとか言ってたのにおまえら」