Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




帰りの電車
手すりにつかまる




「あ〜 楽しかったぁ〜」


「楽しかったねー!」



「にしてもシノちゃん
先に帰っちゃったけど
結構ムリして来たんじゃない?」


「あ、うん
五月祭とかいうのあって
それの手伝いするとか言ってた」


「え〜〜…
でもなんか、シノちゃんらしいか〜」


「うんうん」




しばらく笑いながら、そんな話


景色は、高い建物が減って行って
住宅街に変わって行く




シノが高一の体育祭の時に
全種目出ようとした事とか


そもそもあの高校にしたのも
行事が派手だからって理由だったし


そういえばその時に
ヘビメタ見て来てたとか
シノから一度、聞いた気がする




「てか合宿ってさ〜
どこ行くんだろうね」


「あ!言ってたね!」


「バイトもしないといけないかもね〜
スタジオ代とか、ライヴ代とか」


「… あ、そっか…」


「―――… あ!ユカちゃん!」 




急にユリちゃんが
窓の外を指差した





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