Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
お笑い担当、向井さんたちが
バタバタと事務所に向かってから
「――― 確認!
”ガリれお・ガリれい”
来てくれるって…!!!」
やっと、実行委員本部
茜色した会議室に、みんなの歓声が響いた
「…やったあああああ!!!」
「よかったねええええ!!」
「その前に、ステージどうすんの?」
「―――… あ…そうか…!」
「事務所側はしゃべりに使える
アンプとマイクがあれば
他には何もいらないって
言ってくれてるみたいだけど」
「っていっても…」
「今散ってる皆、ここに集めて!
…何とかして
小くてもいいからステージ作ろう!!
看板はもうあるよね?!」
「うん!
ただ、設置するのどうする?
ミスコンの手伝いで来てくれた人たち
もう帰っちゃったし…」
「な、なんとかまた集められない?!」
「え〜ムリだよ〜…
帰省するとか言ってる人
けっこういたしね〜?」
「うん〜…」
また少し、部屋の空気に
不安な空気が漂い始めた時
扉が、勢いよく開いた
「ちょっとみんなあ!」
「――― 桑島さん?!」
「集めたよ!
手伝ってくれる男子!
今こっちに向かってるから!」
「マジ〜〜〜ッッ?!」
「とりあえず、会場のほう行こうよ!」
「私ミスコンとこ行って
何か使える物探して来る!」
「行くよ!」
「行こ行こ〜ッッ!!」
会議室から、どんどん人が散って行って
でも少し前の時間がウソみたいに
部屋の空気、明るくなって
「葉山さん、澤村さん!」
「おつかれさま〜!桑島さん!」
「さすが女王桑島だよ〜〜〜!!」
「いやいやいや
…あ〜〜!!ちょっともうムリ〜!
なんかひとまず食べて来
――― あれ…?葉山さん」
「うん!!」
「…『Azurite』は?」
「え…っ?」