Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜
「――― そんな驚いた顔すんなよ
公衆の面前で
キスかましてたの
おまえらだぜ?」
「――…… なっ!!… いつっ?!」
「夏フェス
テントの中でしてたじゃん
あれ灰谷だろ?
誰も気がついてなかったみたいだけど」
「―――…そ」
「絡みあるなら
直接聞きゃいいのに ―――
なのに”Chea-Ruu”の件
何も知らなかったってことは
おまえらあの後別れたんだ?」
「―――…っ」
「あ、待てよ!」
トレーのゴミ
ダストボックスに捨てようとして
ジュースの入れ物が
戸口に引っ掛かって ―――
すぐにそこから逃げようと思ったのに
腕 ヴォーカルにつかまれた
「… にらむなよ
なあ?おまえヒマなんだろ?」
「―――……」
「ちょっとさ、口止め代わりに
二時間くらいなんで付き合ってよ
こういうの独りで見るのは
実はかなり淋しいんで」