Turquoise Blue Ⅲ 〜好きな人の名前〜




入ったとこと、違う門から出て
道、二人で歩く




「え!映画、撮ってるの?!」


「… 映画っていうか、プロモ」


「どんなの?!」




「… 映画っぽいって言ったのは」


「うん!」


「実際は十分位しかないけど
通しでストーリーある方が
イメージし易いだろうからって
映画みたいに脚本、一冊あるんだ」


「へええ!!」


「… ストーリーは
ある奇病に、世界中が侵されて」


「なんか怖そう…」


「… それで無表情になってる
”街をうろつく人達”
青山さん達がやるよ」


「えええええっ?!」


「… で、俺と赤池さんが
ロボットに乗ってるシーンがあって
地上や雲から生えてる巨大花と戦う」


「赤池さんも?!あはははは!!」


「… 舞台は、下町から都心
平和な街と、誰もいない廃墟とか」


「――― 世界の終わりみたいな?」


「… 終わらないよ
ハッピーエンド」


「よかったあ!!」


「… なんで?」


「だってさあああ…

あれあれ!
前に夜中のドラマ番組で
ノストラダムスは女子高生ってやったじゃん!
あれもプロモと同じ池上さんでしょ?!」


「うん」


「あれ〜…
主人公のリルカが
ユウジとくっつくと思ってたのにい
私的にはがっかりした…」




「… あれは、撮影期間の問題と」


「うん〜」


「初めは大天変地異起こして
それをきっかけに、リルカが覚醒して…」


「うんうん!!」


「… その戦いの中で
二人の愛が深まって
両想いになる予定だったらしい」


「え〜〜〜っ?!
いいじゃんそれで!!
なんでやらなかったの?!」


「… 当時
まだ新人で、低予算だったのと
大きな地震あったろ?あの頃」


「あ〜 …うん…」


「… それを見て
思い出してしまう人が
いるかもしれない

でも唐突に くっつくのも変じゃん
それで、あのラストになった」


「… ふ〜ん… そっかぁ…」




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