クローバークロニクル

Take Me To The Another Eden

なぜ人は、自分の命の先が見えてからじゃないと時間の大切さに気付けないんだろう?


もっともっと出来ることがたくさんあるのに


限られていない時間なら、もっと勉強だって、何だって出来たはずなのに…


何で限られてからじゃないと本気が出せないんだろう…


ヒンドゥー語を聞きながら、ぼんやりとそんなことを考えていた





「環、貴女ガ貴女ラシクイルコトデ、世界ハ救ワレマス…
ドウカ、幸セニ…」


悲しい笑顔に頷いて、私は静かに部屋を出た












「ヒンティさんって、何歳なんですか?」


「…わかりません。ただ、10年前からあのお姿でした」


心臓がヒヤリとした


「各国の政治家や著名人、大富豪…色々な人が彼女の預言を頼り、彼女を守っていたのでこんな状態になってしまったんでしょう…」


力があるのも不幸なんだ…


ヒンティさんの悲しそうな顔…


どうしても忘れられない…


海里の事も…


嘘だと思いたい…






< 112 / 158 >

この作品をシェア

pagetop