クローバークロニクル
「…文房具…とか」


「そうか…」


お父さんが満足そうに笑う


「お父さん、お母さん…、私ね、今さらだけどもっと勉強しようと思う!
教科書だけじゃないこととか、もっとたくさんの事…」


「環は偉いな!」


ニコニコするお父さん


「環…」


お母さんに声をかけられ、振り返る


「何事にも、遅いなんて事は無いのよ?
思い立ったその瞬間が、人生で一番新しい瞬間なんだから…
やってみなさい!」


「うん!ありがとう!」


笑顔になって黙って目を瞑ってから、「行ってきます!」と手を振った


産んでくれてありがとう…


大好きだよ、ずっと…








どんなに離れてても忘れない。海里を選ぶことを、許してね…




涙を堪えながら走った


走って走って…


大きな橋に着いた


欄干に立ち上がって深呼吸する



捨てる覚悟は出来たよ…


この世界を



深呼吸をしながら、両手を肩まで上げた


行くんだ…、海里の所へ



どんなに短い人生でも…


どんなに辛いことが待っていても…



それでも!!!



目を固く閉じて、足を離した



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