クローバークロニクル
「俺の子供?」


「海里が生きた証が、ここにあるよ…」


涙が溢れそうになりながら必死で伝える


だって海里、海里の命が引き継がれて、海里がちゃんと生きていたんだっていう証が私の中にあるんだよ?


「ほ、本当なのか?」


「…多分」


「子供が…」


その瞳からは大粒の涙


「環…」


「海里!」


「行くぞ!」


突然立ち上がって、私の腕をつかむ


「ど、どこに!?」


「検査薬買いに!」


海里は慌てて飛び出そうとしたが、すぐにゆっくりに戻した


また自転車に二人で乗って近くのドラックストアまで


恥ずかしがる私を押し退け、無言で海里が検査薬を買う


そのまま近くのファミレスに入って、私は震える手でトイレに入った…
















落ち着かなさそうにしている海里の元へ歩く


私を見つけて席を立つ海里


「どうだった?」



溢れてくる涙を堪えられず手の甲で拭う


「……」


「環…」


「…………おめでとう、だよ!海里!!」



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