クローバークロニクル
部屋で一人でうろうろする…


どうしよう…


お母さんに何て言おう…


でも、でも!絶対産むんだから!!


もう決めてるんだから


それだけは…わかって欲しい







「ただいま〜」


お父さんが疲れた顔で帰ってきたのを、ヒヤリとしながら聞いた


ドキドキドキドキ…


心臓が口から飛び出そう


でも…





渋る足に鞭を打って、階段を降りて居間へ入る


「…お父さん」


「ん?どうした?環…」


「話が…あるんだけど」


「???」


不思議そうな顔で私を見つめ、「お母さーん、ちょっと!」と声をかけた


緊張で、冷や汗が出てくる


手の汗もぐっしょりで…


声まで震えてきてしまって


「で、どうした?」


「あのね…実は」



ピンポーン…


すごいタイミングでチャイムが鳴る


お母さんは「はーい」と私の顔を一度見てから玄関へ向かった


「あのね、お父さん…


私、にん…」


「嶋ちゃん!!!」


私の声を遮ったのは、ラグビー選手の様なガタイのいいおじさんだった



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