クローバークロニクル
「あら?じゃあ、環の誕生日に入籍かしら?」


おっとりしたお母さんが、さも幸せそうにそんなことを言った


全員がお母さんを見つめる


「今日は、お祝いね!お寿司でも取りますか?」


「お母さん?」
「お母さん!」


お父さんと私の声は同時だった


「環が決めたことですもの。反対はしないわ!相手は海里君だしね?」


ニコニコと笑顔を向ける


「環がずっと海里君を好きなのは知っていたし…
こんな時代で、人生のほとんどを想っていた人の子供を産めるなんて、幸せな事よ…」


「お母さん…」


「でも、海里君は…」


「お父さん…これからの時代、最後まで生き残れる若者なんていないかもしれないのよ?その時に、環に誰もいなくなって、環が独りぼっちになってもいいの!?」


「お母さん…」


お父さんは考え込んで納得したように頷いた


「そうだな…、小さいときからずっと一緒だったな…
海里君に任せれば、いつもしっかり遊んで送り届けてくれて…」


「お父さん…」


「しかし、早いな…環!もう…お母さんか…」


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