クローバークロニクル
お父さんの震える声に、何とも言えない感情が溢れて…


私は遠慮がちに


「でも、良ければここに住まわせてもらいたいし…」


「お金の心配はいらないよ!家が責任とるから!!」


おじさんがドンと胸を叩く


「いやいや、時ちゃん、それは大丈夫だから」


「いや、協力したいんだよ!海里が遺してくれる宝だ…」


「うん…、それは、じゃあ後で相談しよう
お母さん、お寿司にしようか!」


「はい!」


お父さんがやっと笑ってくれて、私はお母さんを見た


お母さん…


おっとりしてるのに、一番最強だったんだ


「ありがとう…」


お母さんはにっこり笑って


「お母さんはいつも環の味方だから!」


ポンと肩を叩かれた



…お母さん、ありがとう


お父さんも…


ごめんね



おじさんは紙袋を渡すと、一度家に帰っていった


うちはお祝いの為にテーブルや食べ物の準備を始める


「環、つわりはまだ無いの?」


「え?もうくるの?」


「お母さんは二人とも楽だったから、貴女もないかもね…」


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