クローバークロニクル
「海里君、悪いけど、孫が産まれるまでは別居婚にして欲しい」


「家、隣だけどね…」


突っ込む巧…


「解りました!!」


「環ちゃん、今何ヵ月?」


「わ、解りません!まだ病院に行ってなくて…」


「予定日、いつかしらね?楽しみだわ」


「きっと春生まれよ!」


「そうね!」


予定日…


そっか、春なら…海里はまだ生きてるかもしれないんだ


間に合うかもしれない


お母さん達は春生まれはなんだかんだと楽しそうに話し、巧と海斗は叔父になる辛さを語り合い、お父さん達と海里は結婚について話している


こんなに祝ってもらえるなんて…


こんな日が来るなんて思っても見なかった


嬉しい


『大きな悲しみの中から幸せを戴く』


クイーンの言葉が、脳裏をこだました


でも、私は肝心な事を忘れていたんだ











この世界が、クローバーの世界だということを…






ヒッ!!


という息をのむお母さんの声に、みんなが注目した


「環…」


お母さんの目は恐怖に見開きながら、私の背中を見つめていた






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