クローバークロニクル
ピンポーンとチャイムがなり、私が時計を見ると20分になっていた


「行ってきます」


遠慮がちに言うと、


「いってらっしゃい」


と笑顔で応えられる


二階からはロックな曲がかかっていて、玄関を開けると圭太君顔の海里が立っていた



「行くぞ」


「はい…」


私がうなずくと、海里は不思議そうな顔をした


「何したの?お前」


「…私にもさっぱり…」


お互い首をかしげて向かい合った





「じゃあ乗れよ」


「え!?」


出されたのは自転車


「い、いいですよ!!重いから…」


「はあ?毎日乗ってるから知ってるよ…早く、遅刻するぞ」


毎日…


私はその言葉を聞いてしまうと弱い…


大人しく後ろに乗る


「何か調子狂うな…」


海里はそう言うと自転車をこぎだした


「あの…私達、いつも一緒に行ってるんですか?」


「はあ?何?何かあったの?」


「え?」


「何で敬語??」


「え、だって…」


「何だよ、どうしたんだよ。変だぞ、環」






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