クローバークロニクル
登録して検査が終わった後、私達はまた違う場所へ案内された


ただの応接室のような場所


そこに現れたのは眼鏡をかけた細身の男の人


インテリ風…


歳は30代中盤くらいで、細い目がキツさを出している


私も海里もビビってしまった


「お待たせしました…薬師寺です」


「あ、初めまして…」


二人で立ち上がって礼をする


「…妊娠、四つ葉…うん、」


薬師寺さんは何かの資料を見ながら話し始める


多分、私のカルテなんだろう…


何となくお医者さんのところに来た気分…


「あの、症例があるって、国見さんから聞いたんですけど…」


海里が我慢できずにフライングをする


その言葉にチラリと薬師寺さんが瞳を上げた


「突然の四つ葉、確認されている中で一例だけあるよ」


い、一例!?


私と海里が顔を見合わせた


「その例は君達と同じ、男性がクローバーで女性が非クローバーによるパターンの妊娠だ…」


わ…


私達と同じパターン…?


それが、四つ葉になる?



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