クローバークロニクル

Desire




それから、毎週のクローバー検査にも、産婦人科の検診にも2人で通った


海里が小さな膜の中で、まるで流氷の天使「クリオネ」の様にピコピコと心臓を動かしている赤ちゃんを見て感動していた


「あだ名はクリオネだな!」


「意味がわかんない!」


そんな事を、笑いながら話していた


海里はまだ見ぬ赤ちゃんを、男の子か女の子か予想したり、どんな名前をつけようか悩んだり…


本当に嬉しそうにしていた








私は学校に休学届けを出し、季節は秋へと向かっていた


「うん、やはり仮説は正しそうだね…」


薬師寺さんの声に、私は反応する


「どういう事ですか?」


「クローバー特有の、細胞の異常活性化が見られない」


「クローバーなのに、細胞は正常って事ですか?」


「そう。君はやはり死ぬことは無いだろう」


その言葉に、私はちらりと海里を見た


海里はデータのカルテを見ている


「私の血液から、抗体とかは出来ないんですか?」


「クローバーは病気じゃないんだ…」

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