クローバークロニクル
「思わねーよ!環がいいんだよ。悪いけど何度来てもお断りだ!」


「私、諦めないからね!」


ゆかりは私を見つけると、睨みながら帰っていった…


でも、ゆかりだけではなかった


梅ヶ丘の生徒が、何人も何人も海里の家にやって来ては、ゆかりと同じ話をしていく…


あんなに冷たくしていたクラスメートまで必死になってやって来る


手のひらを返して…


海里はうんざりしながら私の家に避難していた


何度ため息をついて、世の中に幻滅しているんだろう…


海里の心は深く傷ついていた







「環…」


回覧板を持って出たとき、ゆかりに呼び止められた


「いいわね…、アバズレは結果的に良い思いが出来て」


「…どういうこと?」


「あの発表の前じゃない、あなたが妊娠したの」


「そうだけど?」


「立派なアバズレよね?その年で妊娠なんて…
こんな世界じゃなければ、あんた、最低じゃん」


「は?」


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