クローバークロニクル
「お前、昨日まで普通だったじゃねーか…
何だ?こっちとかあっちとか。昨日までここに住んでただろ?」


「…よんちゃんが言うには、パラレルワールドなんだって。今頃、あんたの事が好きな環は、私の世界に行っちゃってるよ…」


「パラレルワールド?」


「よく似た世界だけど、少し違う隣り合った世界。私の親は、OA機器を扱う中小企業のしがないサラリーマンと、スーパーの野菜担当のパートしてるお母さんと、二つ下の妹の温(のどか)で、小さい借家住まい。高校はあけぼの高校で、親友の名前は橘海里。彼氏は嵐山悠哉…」


海里は黙って聞いていた


「日食が原因で、私の世界だけが入れ替わってしまった…らしい
だから、私は自分の家族の名前も友達も、この世界の事は何もわからない…」


「ま、まさか…」


「だから、信じなくていいって!
帰って…」


私が机に座ってしらんぷりをすると、海里はそそくさと窓から出ていった


ってか、缶持っていけよ!


と思いながら、頭を抱えてうなだれた…


あーあ、もう…どうしてこんな事に!!



その時、わずかに開いた引き出しから日記を見つけた



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