クローバークロニクル
「すごい。環と見れるなんて…」


嵐山君も真っ赤な顔で微笑んだ


えへへ…可愛いな…


「環…あの…」


キャー!という悲鳴と共に、いよいよイベントが始まってしまい、私は思わずみんなと同じように空を仰いだ


眩しい光の中にうっすらと影が見える


次第に世界が薄暗くなって、私たちの影も薄く消えかかっていく


「わあ…」


思わず感嘆の声がこぼれた


太陽が次第に消えていく


何だか世界の終わりみたい…


ゆっくりゆっくりと月が太陽を隠していく


「ねえ、環…」


「何?」


「いつか、プレゼントするよ、アレ」


そう言うと、嵐山君は太陽を指差した


「え?」


太陽をくれるの?そんなことを考えながら見ていると、やがて月からまた太陽が出てきた!


それはまるで世界の始まり


そして嵐山君の言った意味



まるでダイヤモンドリング!!




私は思わず、これ以上作れない幸せな笑顔を、嵐山君に向けた


きれい…


自然はこんなにも美しい


日本でこんなきれいな皆既日食を見られるのは、きっと私が生きている間はもう無いかもしれない…




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