クローバークロニクル
海里より早く出ようとして玄関を飛び出すと、今まさにチャイムを押そうとしている海里が立っていた


「おす!環。早いじゃん」


普通な顔をして立ってる姿にイライラしつつも、ワザワザ避けようとしているのを見透かされたみたいで口がパクパクしてしまう


「か、な、何で?」


「…お前のパターンは大体わかる」


「一緒に行かなくても良くない?いい歳なんだから…」


「俺はお前のおじさんや、おばさんに頼まれてるんだよ!放っておけば、遅刻確実だろ?」


「昨日の事、まだ覚えてるんだからね!」


「何?昨日の事って?」


後ろから巧が出てきた


「海里、海斗は?」


「そろそろ出てくるよ」


「サンキュー」


「巧…、今日早いの?」


「ああ、部活の校庭当番、今日なんだよ」


校庭当番?朝練の当番ってこと?


巧の手にはサッカーボール…


サッカー部か…


「で?昨日何したの?」


ちょっと厳しい目線を海里に向けた


「そうよ!この男はね、私にキスしてきたんだよ!!」



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