クローバークロニクル
「ガキの時、よく川に遊びに行った帰り、お前よく俺の後ろで寝てたよな」


知らないよ…


でもこんなイケメンが小さい頃から隣にいるなんて、なんか想像できない


そんな小さいときからいつも傍に居てくれて、遊んであげていたのかと思うと、海里も優しいんだな…




「お前っていっつもカボチャパンツで、昔から色気無かったよな〜」


前言撤回!!


ムカつく〜


『から』って何よ!『から』って!!!


今もかよ!


「そんな色気の無い女にキスしてくる男はロリコンですか!?」


「かーもな〜」


イラッ


もう無視無視!


そんな毎日を過ごして…


私は気付いてはいけない気持ちが始まっていることを、知らないフリをしていた


気付いてはいけない


蓋をしなければ




居心地の良さに、タイプだった人間に、ガキくさい冷やかしに、表に出さない優しさに、ドキドキされられる行動に


自分の奥底に芽生え始めた小さい芽を、ただただ太陽から隠した








「海里?」


「ん?」


「バカ」


「はぁー?聞こえねー」











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