クローバークロニクル
女の子は私を睨むように見つめてきた


「ゆかり…、俺ら行くから…」


「えー!たまには話そうよ!そうだ!今日遊びに行ってもいい?」


な、何だかずいぶん図々しいな…


何て思いながら、私は後ろにのんきに座っていた


「悪いけど、今日はコイツのカテキョだから…」


ええ―――――!?と思いながら海里の背中を見つめると、ゆかりが私を睨んでいた目線にぶつかる


「環、あんたさぁ、少し自分で何とかしようとか思わないの?」


「え?…あの…」


何であんたにそんな事言われなきゃならないの?と思いながらも、ついつい疑問に思ったことを口に出してしまった


「…どなたですか?」


ビクッと慌てた海里が「ああ、じゃあな!ゆかり」と言って急に自転車をこぎだした


「ちょっ!海里!危ないじゃん!」


「お前!幼馴染みだろ!勘弁しろよっ、アイツもアイツの母ちゃんも被害妄想でかいんだから、何か言われるぞ!」


「えー!だってそんなの知らないし―――!!」


「怒鳴りこまれるぞ!」


「ウソ!」




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