クローバークロニクル
何で庇ってくれないのよ!!


と泣き叫びたい気持ちを、胸の中で静かに押さえ込んだ…


甘えちゃならぬ!


と海里に思っていたから





校門を抜けるとザワザワと噂話が囁かれていて、海里と顔を見合わせた


「クローバー…」


そんな声が聞こえてきて、そばにいたクラスメートに声をかけた


「何したの?」


「2年のバレー部の人がクローバーになって…自主退学するって。今挨拶に来てて…」


そんな話をしている途中、職員室からお母さんに付き添われたバレー部の人が出てきて、廊下は一斉に静まりかえった


二人ともすっかり意気消沈した表情をしていて、私達は二人に道を開ける


お母さんは私達を恨めしそうな表情で一瞥したのを、私は見逃さなかった


彼女に声をかける人は一人もいなくて、二人は注目されながら校門を出ていった…


「バレー部だって…」


「伝染らないんでしょ?」


「ヤバい!私、この前昼休みにバレーボールに触っちゃった…」


そんな悲しい会話が飛び交っているのを、仕方がない気持ちで聞いていた





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