クローバークロニクル
『WHOの発表によりますと、発病する確率の高い年齢は15歳から25歳の間で、発病したかどうかは各都道府県に設置した「クローバー相談センター」へまず電話をするようお願いします。電話番号はフリーダイヤルで…
なお、発病すると背中や肩にクローバーの様な赤いアザが現れます。最初は1枚で出てくるのが目印と言われていて…』


すでに毎日のニュースはクローバー一色に染まってしまっていた


死亡者数は何百万人に上り、下手したら一つの国の人口が消えてしまった事になる…


学校の生徒も、ちらほらと自主退学をする生徒が現れ始め、みんな混乱気味だ…


…でも私にはまだどこか、実感が沸かなかった


『私はこの世界の人間じゃないから、大丈夫…』


とどこかで思っている


ずるい考えなのかもしれないけど


でも、学校だけでも脅威的なスピードで発病している人がいるのは理解できた












「どうなるんだろう?」


「何が?」


「この世界…」


自転車に二人で乗りながら、私は呟いた


「そのうち、アメリカかどっかで薬が発明されるだろ?」


「………」



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