クローバークロニクル
「…………………」


「…ごめん」


何で私に謝るんだろう…


何だか頭が理解できなくて、言葉も上手く出てこなかった


ここは、もういいよ、って言うべきなんだろうか…


そう言った方が面倒くさくなくて良さそうだな〜


なんて頭で色々巡らせていたら、不思議そうな海里が私の肩を叩いた


「面倒くさくなってきたんじゃないだろーな?」


ギクッ!!!


「そ、そんなわけ…」


否定しようと思ったとき、そのまま頭を押さえられたのは覚えていて…


次に話していた途中の言葉が、海里の唇の中に吸い込まれていったのは…


ただ、海里の舌が私の唇の中をぐるぐる泳いでいるように動いて、海里の吐息が私の唇に直に触れて…


よくわからなくて


すーっと唇が涼しくなった時に海里がにこりと笑って


「予期せぬ相手からこんな事されれば、固まるだろ?」


って、満足気に言われても!!!


私はまた唇を押さえて後退りする…


今のって…


今のって!!!


ディープキス!?


「環…、お前さ、帰るなよ」


そう言い残して、海里は忍者の様に消えていった






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