クローバークロニクル

“The Clover”

私がこの世界に来た意味が、何かあるんだろうか…


実際、私が来たことで環の世界は変わっている


海里が私にちょっかいをかけてくるようになったこと…


でもそれが、はたして何かの意味になるの?




「姉ちゃん、まだ?」


ハッと気付くと、鏡越しに歯ブラシを持った巧が見えた


「ご、ごめん。寝ぼけてて…」


急いで顔を拭いて、洗面所から出る


「…姉ちゃん」


「ん?」


振り向くと、こっちを見ずに歯みがき粉をチューブから出している巧が、切なそうに話始めた


「俺のクラスの友達が、発病…したんだ」


「え?」


「…俺らも、死ぬのかな」


「…巧」


悲しい顔で歯磨きを始める


「クローバーじゃなくたって、事故とか、殺人とかでいつ死ぬか解らないんだよ?私だって、明日死ぬかもしれないし…」


「ほりゃあ、ほうだ…」


「むしろ、充実した一日を過ごせるようになるかもよ?」


「………」


「…なんて、偉そうに言ってるけど…私だって怖いし、クローバーなんかになりたくないし…」





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