クローバークロニクル
「逆だったらって考えてよ…。もし私がクローバーになって、海里が私と付き合ってくれるようになったのに、海里の家族から『環はクローバーだから認められない』って言われたら、どんな気持ち?

クローバーになったのは、私のせいじゃないんだよ?なのに、『クローバーだからダメ』って言われるの…

もし私がクローバーになったら、最期までやりたいようにやらせてあげたいって、思ってはくれないの?私だって、明日クローバーになるかもしれない!こんな毎日なんだよ?」


お父さんは下を向いてしまい、台所からはお母さんのすすり泣きが聞こえてきた


「…環、本気なんだな」


「………」


本気?


そんなの、解らないよ!!


拳を力強く作った


気付いたら、床にシミを作るくらい泣いていた


「…わかってあげてよ。覚悟を決めてるのは、本人達なんだよ」


「…巧」


いつの間にかリビングに入っていた巧は、優しく声をかけてくれた


「多分、海里が一番、解ってるよ…」


「そうだな…」


「ごめんなさい、お父さん…」


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