好機逸すべからず!!
腰に腕を回し、ぐっと引き寄せる。

引き寄せた腰はとても細かった。

素面であれば絶対に拒否されていただろう。
大村にとっては、完全に酔った勢い。

だけど、俺はそんなこと気にしていられなかった。
ふわりと漂う大村の甘い香と血中を巡るアルコールは、俺の思考能力を低下させる。

辛うじてあるのは、ほんの少しの罪悪感。

しかしそれは艶かしい大村によって呆気なく掻き消される。

ほんの少しの罪悪感が消え失せた今、俺を押し留めるものは何もなくなってしまった。



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