好機逸すべからず!!
目が覚めた時にはすでに日は昇り、窓の外から聞こえるざザワついた騒音に、もう昼近い時刻だと感じ取る。

左には俺の腕に抱きついて眠る大村がいて、そのあどけない寝顔に胸が熱くなった。

俺はその存在を確認するかの様に大村の髪をそっと撫でる。
すると少し癖毛の髪が指に絡みつきそうになり、俺は髪を引っ張らないように気をつけながら大村の顔に掛かっている髪を静かに払った。

大村を起こさないように注意を払い、そこから抜け出すと浴室へ向かった。

眠れば昂った神経が落ち着くかと思っていたが依然として落ち着くことはなく、俺は冷た目のショワーを浴びて落ち着かせようとする。

目を瞑りシャワーを頭から浴びる。
瞼の裏に焼きついているのは、悩ましげな大村の姿だった。




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