好機逸すべからず!!
俺を見る大村は目を真丸にしていた。
吃驚したようなその表情に、苛立ちが大きくなる。

覚えてないんだな…。

「お、おはよう。」

その声は少し震えていて、俺の眉間には自然と力が入る。

俺は無意識のうちにチッと舌打をしてしまっていた。

胸まで黒いシーツを引き上げている大村だったが、正直目のやり場に困る。

幾ら嫌われているということを再認識しても俺もやっぱり男で、好きな彼女の華奢な肩と綺麗な肌、細い腕はとても魅惑的だった。

そんな思いを隠すように、

「とりあえず、服。着ろ。」

一夜を共にしたとは思えないような、愛想無い言い方をした。


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