好機逸すべからず!!
「何暗い顔してるんだ?」

後ろから聞こえた声に俺は振り返った。

「ああ、柳か。」

同期の柳が口の端に意地悪な笑みを浮かべ
「どうかしたのか?」
訊いてきた。

柳とは大学から一緒で、親友と言えるほど仲が良い。
部署は違うが、よく飲みにも行くし話もする。

気心知れた仲間だ。

「…別に。」

素っ気無く俺は返すが、付き合いの長い柳には御見通しのようで、俺の視線の先に気付いたのか意味有り気な眼差しを寄越す。

「ふ~ん。」

柳は俺の事になんて、全く興味がなさそうだった。


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