好機逸すべからず!!
頑張るって言葉があまりにも柳に似合わなくて、

「頑張る?」

同じ言葉を俺は口にした。

柳は何でもそつなくこなすタイプの人間で、頑張るとか努力とかそんな言葉を聞いて柳を連想させる事はまず無い。

そんな事を考えていると、柳は目元にほんの少し笑みを湛えて前にあった視線をこっちへ向けた。

「本当に手に入れたいモノだったら、形振り構ってられない。
どう足掻いても、無理っだったとしても、諦められない。」

それだけ言うと俺から視線を外した。

柳も手に入れたい何かがあるのかもしれない…。

俺はそう思った。


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