好機逸すべからず!!
落胆する俺に大村が話しかけたのはその週の金曜日だった。

「ちょっと話がある。」

いつに無く落ち着きのない大村の様子に驚き「えっ?」と聞き返してしまう。

「だから、話があるの。」

心なしか目には涙を溜め、上目使いで俺を見つめる大村。
俺は一瞬どうして良いのか分からなくなり戸惑うも、

「あ、あぁ。」

どうにか声を出す。

「じゃあ、また後で!!」

俺の返事を聞いた大村は逃げるかの様に、そそくさと俺の前から姿を消した。

その場で突っ立ったままの俺は、さっきの大村の言葉を頭の中で反芻していた。





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