好機逸すべからず!!
ビールを取りに行って戻って来た俺は、無言で大村の隣に腰を下ろす。
それに余程吃驚したのか、大村は慌てた様子だった。

俺はローテーブルの上に転がる空っぽになった缶を視界の隅に留めながら、大村の顔を覗き込む。

ほんのり赤く染まった頬と、薄っすら涙の堪った瞳。

「大村、酔ってる?」

「…酔ってない。」

意外にもしっかりした口調と真っ直ぐな視線が返ってきた。



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