―不可能な共存―
「だいぶ不自然だけど」



少女は呆れたように言った。



「そうか?」


「そうだよ。っていうか、あんたテツの顔知らないんだから探したってわかんないでしょ」



注文していた酒がそれぞれの前に差し出された。



レッドアイを飲んだ南條は、険しい表情になった。



「どしたの?」


「俺、酒ダメなんだ」


「じゃぁなんで注文したんだよ」


「強がり」


「バカか」



そんな他愛のない会話をしていると、背後から他の客達の激しい笑い声が聞こえてきた。



少女はそれを少し不快に思い、笑い声の方に視線を向けた。


















そこにはテツがいた。
< 103 / 245 >

この作品をシェア

pagetop