―不可能な共存―
テツは答えを書き終わり、紙とペンを南條に返した。



《sugarっていうホストクラブのオーナーから》



紙には汚い字でそう書いてある。



「薬の名前は?」


《スパーク》


「オーナーの名前は?」


《鮫崎ショウヘイ》


「鮫崎がいってた親父さんってのは、岩佐木の事か?」



テツがうなずく。



「スパークってさ、ピンク色の錠剤か?」



テツは一瞬眉間にシワを寄せた。



なんでこいつがスパークを知っているんだ?



こいつは一体誰なんだ?そんな事を考えていそうな表情だった。



テツが返事が遅いからか、南條はテツの首をしめている腕に少し力を込めた。



すると、テツは涙目になりながらコクコクとうなずいた。



その時、トイレの中に他の人間が入ってきた。
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