―不可能な共存―
「やっぱ男に抱きつくのはキツい」



南條のその言葉を聞いて、少女はまた個室のドアを少し開けた。



少女がここにいるという事は、まだテツには気付かれていない。



《なんでスパークの事知ってんだ?名前は知らなかったくせに。あんた誰なんだ?》



テツが南條を睨みつけながら紙を差し出した。



南條に対しての恐怖がだいぶ薄れてきたようだ。



「それをお前にいう必要はねぇ。それより、お前スパークのプッシャーだよな?高校生にも売ってるんだろ?」



テツは首を横に振った。



「ウソついたら殺すって言ったはずだけどな。もう一回聞くぞ。高校生にも売ってるんだろ?」



テツは、しばらく間を開けてから観念したようにゆっくりうなずいた。
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