―不可能な共存―
あたしはその場に残ったユウリを放っておくことが出来なかったので、ツバキはコウスケに任せて公園に残る事にした。





「辛かったね」






あたしがユウリを抱きしめると、いろんな感情が溢れてきたのだろうか声をあげて泣き出した。




生まれたての赤ん坊のように一心不乱に泣き続けるユウリがかわいそうで、そしてたまらなく愛おしくて、さらに強く抱きしめた。




ユウリも抵抗することなく、あたしの体にしがみつくようにして泣いている。










しばらくその状態が続いた後、あたしたちは破滅の音を聞いた。







誰かに心臓を握られたような気がした。



その音を聞いたユウリの涙はピタリと止まり、勢いよく立ち上がった。




「先生、早く!!」




ユウリはあたしの手を引いて、音が聞こえてきた方向へと走り出した。
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