―不可能な共存―
「心臓マッサージなんてどこで習ったの?」



ユウリの表情は明るかった。



ユウリはコウスケの心配をしながらもあたしを気遣ってくれていた。



なんて優しい子なんだろう…



今まで誤解していた事をすごく申し訳なく思った。



「車の教習所と、アラタ…徳沢先生が、いつか役に立つかもしれないって教えてくれたんだ」


「あぁ、なるほど」



ユウリはあたしに笑顔を向けた。



この子の笑った顔をもっと早く見たかった。



「ねぇ、ユウリ」


「ん?」


「あたし…あんたをずっと疑ってた…」



あたしはユウリに頭を下げた。


すると、ユウリが笑顔のままあたしの目を下から覗き込んだ。














「それでいいんだよ」















ユウリのこの意味深な発言が理解出来ない。
< 227 / 245 >

この作品をシェア

pagetop