―不可能な共存―
「もしかして…あの日あたしのマンションにいたのも、授業中にあたしにカラんできたのも全部…?」



ユウリはニッコリ笑っただけで何も言わなかった。



マンションでユウリの姿を目撃した時…



あれはわざとだったんだ。



ツバキを追いかけてきたのでも、カメラを取り外しにきたのでもない。



わざとあたしに自分の姿を見せて、自分に疑いがかかるようにしていたんだ。



授業中の態度も、いつかツバキがあたしに何かするだろうとわかっていて先手を打っていたに違いなかった。



公園からツバキが走り去った後ユウリが泣いていたのは、ツバキを守り切れなかった事が悔しくて、辛かったからなのかもしれない…
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