―不可能な共存―
「あんたたち、ホントうるさいから」



病室に入ってきたユウリに注意されて、2人でしょんぼりした。



ごめんなさい。



「コウスケ、調子良さそうだね」



制服を着ていないユウリは少し大人っぽく見える。



「あぁ。おかげさまで」



寝間着姿のコウスケは逆に少し幼く見える。



「あ、プリン。あたしも食べていい?」


「いいよ。ユウリの分も買ってきたから」


「やった。ありがと」



あたしたちのやり取りをコウスケは嬉しそうに見ている。



「お前ら、何で急に仲良くなったんだよ」



そんな質問をしながらも、答えを求めている風ではなかった。



あたしたちは何も言わずにコウスケに笑いかけた。



コウスケはそれでも満足そうな顔をしている。
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