―不可能な共存―
マンションの外に出ると、アラタがいた。



アラタの隣には車が止まっている。



ハルかヤマトが呼んだのだろう。



アラタは何も言わずに後部座席のドアを開けてくれた。



あたしは、ユウリに体を支えられながらゆっくりとアラタの車に乗り込んだ。



走行中、口を開く者はいなかった。



ユウリはずっと、あたしの手を握ってくれていた。



着いた場所は、コウスケが入院していた病院。




今はここにコウスケが眠っているらしい。
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