―不可能な共存―
南條の問いを無視し、少女はカップに入ったコーヒーを少し飲んだ。



「甘い」



「話はぐらかすんじゃねぇよ。お前、尾田に殴られそうになってただろ?まぁ、俺にはお前がふっかけたように見えたけどな」



少女は、持っていたマグカップをテーブルの上にそっとおくと、口を開いた。



「昨日の夜、駅前のカラオケで乱闘騒ぎがあったんだって。

だから尾田は、それを先陣きってやったのがあたしだって勝手に決めつけてんだよ。

あたしは関係ないって言っても全く信じなかった…」



南條は真剣な表情で少女の話を聞いていた。



「お前の普段の行いが悪いから、いざって時に疑われるんだ」


そう言った南條を、少女はものすごい眼力で睨んだ。
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