―不可能な共存―
あたしが教えている生徒たちは、人の言うことを聞かない事に関しては天下一品だ。



まぁ、あんたたちの気持ちもわかるけどさ、ちょっとくらい聞いてくれたっていいじゃん。



時計が午前7時30分を回り、あたしはさっさと家を出た。



あたしの家から職場まではバスと地下鉄を乗り継いで40分弱。



今日は朝の職員会議がないから、学校に着いても授業が始まるまでには少し時間がある。



コーヒーでも飲もうか。



学校で飲むコーヒーはなぜかやたらとおいしい。



くだらない事かもしれないが、あたしが教師を続けているのはこのコーヒーの為かもしれない。
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