―不可能な共存―
「でさ、あんたお兄さんの為になんかした?」



「薬取り上げて便所に流した事もあるんだけど、まだいっぱいもってるし、俺の事殴るしでさ…


それでも何回か繰り返してみたけど、いくらでも新しいのが手に入るんだよ」



「薬ってそういうもんなんだよ。


こっちが必死でやめさせようとしても、向こうも負けないくらい必死だから。


死ぬ気になんなきゃ止められない」



「わかってる。それぐらいの覚悟はもう出来てるから」



コウスケの顔からは本物の覚悟を感じ取ることが出来た。



間違いなく本気だ。



だったらあたしも本気で協力しようじゃねぇか。



あたしは…



もう誰も薬の犠牲になってほしくない…



あたしはコウスケの答えに大きくうなずき、次の質問に移った。



「お兄さんの名前は?」
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