―不可能な共存―
少女は返事が出来なかった。



少年とずっと一緒にいる気なんてなかったから。



「お前、自分だけ抜けようとしてるわけ?」



少女はまだ何も言わない。



「何なんだよ!」


「だって…」



少女は何かを言いかけ途中でやめてしまった。



「だって…何だよ」


「だって…あんた、ヤクザとつながってるんでしょ?」



少年が目をそらした。



「知らねぇよ」



少年は否定したが、少女にはそれがウソだとわかっていた。



「だったら何で目そらすんだよ。


あたしが知らないとでも思ってたの?


ずいぶん前から知ってるよ。


岩佐木組でしょ?


あそこはマジヤバいから、切った方がいい」


「なんでお前にそんな事言われなきゃなんねぇんだよ!!」



少年がキレた。
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