―不可能な共存―
「いいに決まってんじゃん。なぁ?」



コウスケが言った。



なぁ?と言われたハルも笑顔を向けてくれた。



ツバキも真っ白い歯を見せて笑っている。



クラス中がにこやかな雰囲気になった。



なんだ…



こいつらにウソつく必要なんてなかったんだ。



ちゃんと受け止めてくれるじゃないか。



これからは慣れない言葉遣いもしなくていいんだ。



少しだけ体が軽くなった気がした。



「ありがとう…はい、じゃぁ授業するから」


「え〜」


教室のあちこちからブーイングの嵐。



その中にも好意を感じる。



「え〜じゃねぇよ。一応教師なんだから授業はやるよ」


「今日は何するの?」



ツバキが言った。



積極的に参加してくれてホントありがとう。



「テキトーにグループ作って。4〜5人ずつで」



音楽室はまた騒がしくなった。



何をするのかわからないけれど、とりあえずワクワクしているみたいだ。



「グループ作ってどうすんの?」



今度はハルが言った。



「バンド」


「うおっ!楽しそう!」



ハルは乗り気。



よかった。



「じゃぁ、さっさとグループ作ってね」
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