全てがキミだった
Prologue
『3―5同窓会』
ポケットの中で振動した携帯を開くと、両端に星がキラキラと輝くタイトルが目に入った。
『1月10日、3―5の同窓会やりまーすっ!全員集まること。必ずね。
場所は東高校のグランド。あの木の下で待ち合わせ。タイムカプセル開けちゃうよ。
一時集合ね。来れる人は、今すぐ返信するように。』
派手なデコメが使われ、星や音符、笑った顔に果物の絵文字が所狭しと小さな画面の中で忙しく動いていた。
蒸し暑い夏の日、半年後に行うという同窓会開催のメールが旧友から届いた。
ソファーに寝転びながら、レースの隙間から空を見上げる。
同窓会、か。
空から画面に視線を落とすなり、すぐに電源ボタンを押してメール画面を消した。
行かないよな――。
というか、行けないよな。
あいつ、来るのかな。
いや、来ないな。
多分。
向こうも来れないでしょ。
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